荒廃した壮大な邸宅の内で、片手に雪景色の一軒家のあるガラス玉を握り、“バラのつぼみ"という最後の言葉を残し新聞王ケーンは死んだ。死後のケーンに与えられた賛否の声は数多かったが、ニュース記者トムスンは“バラのつぼみ"の中にケーンの真の人間性を解く鍵があると信じ彼の生涯に関係のある人々に会うことになった。ケーンが幼少の頃、宿泊代のかたにとった金鉱の権利書から母親が思わぬ金持ちになった。そのために彼は財産の管理と教育のため、片田舎の両親の愛の中から無理矢理にニューヨークに押し出された。やがて青年になったケーンはかねてから興味を持っていた新聞経営にのりだした。
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